インプラント手術当日・翌日の過ごし方|術後48時間の注意点と歯科医院へ連絡する目安

インプラント手術の日を迎えると、手術そのものと同じくらい「終わったあと、家でどう過ごせばいいの?」が気になってきますよね。
「今夜は何を食べればいいんだろう」「血がにじんでいるけど、このままで大丈夫?」「お風呂やお酒はどうしよう」――手術の当日と翌日は、こうした小さな疑問がいくつも出てくる時間です。前もって知っておけば、落ち着いて過ごしやすくなります。
- 麻酔が残っている間は、口の中をかんだり熱い飲み物でやけどしたりしないよう注意しましょう。当日の食事はやわらかく刺激の少ないものにして、手術した側ではかまないようにしましょう
- 当日は激しい運動・飲酒・長風呂・強いうがいを控え、薬は指示どおりに飲みましょう。冷やすかどうかは担当医の指示に従いましょう
- 腫れや痛みは2〜3日がピークで、1週間ほどで落ち着くことが多いです(個人差があります)。出血が止まらない・痛みが長く続くときは、手術を受けた歯科医院に連絡しましょう
手術直後、麻酔が効いている間に気をつけること
手術が終わってしばらくは、麻酔の効果が口の中に残っています。この間に気をつけたいのは、口の中をかんでしまうことと、熱い飲み物でやけどをすることです。
帰宅してほっとひと息、温かいお茶やスープを口にしたくなる場面こそ要注意。熱いものは避けて、口の中をかまないようにゆっくり過ごしましょう。
感覚が戻るまでどのくらいかかるかは、帰る前に担当医に聞いておくと、その後の予定が立てやすくなります。
辻井相談役
当日の食事・運動・飲酒・お風呂・たばこで気をつけること
食事:やわらかく、手術した側でかまない
口の手術のあとの注意として、手術当日の食事はやわらかく、刺激の少ないものにし、手術した側ではかまないようにします。おかゆやうどんのようなやわらかいものを、反対側でゆっくり食べるイメージです。やわらかい食事をいつまで続けるかは、担当医の指示に従ってください。
運動・飲酒・お風呂:当日は控えめに
手術当日は、出血や痛みが強くなることがあるため、激しい運動・飲酒・長風呂は避けます。ジムでのトレーニングや晩酌、湯船でのんびりするのは、少しお休みです。
翌日以降、いつから普段どおりに戻してよいかは、手術を受けた歯科医院の指示に従い、帰る前に聞いておきましょう。
たばこ:傷の治りに関わる
喫煙は傷の治りを悪くします。さらに、インプラントが骨とくっつかない確率が上がり、長持ちしにくくなるとされています。手術のあとのたばこについては、手術を受けた歯科医院に確かめておきましょう。
辻井相談役
うがい・歯みがき・出血・薬・冷やすかどうか
うがい:当日は強くしない
手術当日は、強いうがいを控えます。口の中が気持ち悪くても、ブクブクと勢いよくゆすぐのは少し待ちましょう。

うがいを控えるのには理由があります。強くゆすぐと、傷口にできた血のかたまりが流れてしまうからなんです。きれいにしたい気持ちが、かえって傷の回復の邪魔になることもある、というわけです。
歯みがき:手術した部分は避ける
歯みがきは、手術した部分を避けて行います。縫った糸があるときは、歯ブラシで引っかけないよう注意しましょう。歯みがき粉の使い方など細かいことは、手術を受けた歯科医院の指示に従ってください。
出血:少しにじむことがある
手術の当日・翌日は、少し血がにじむことがあります。気になるときは、ガーゼなどをかんで圧迫します。それでも止まらないときは、手術を受けた歯科医院に連絡してください。
薬:指示どおりに飲む
処方された薬は、指示どおりに飲みます。とくに抗菌薬(化膿止め)は、自分の判断でやめないことが大切です。飲み方に迷ったら、手術を受けた歯科医院に相談しましょう。
冷やすかどうか:担当医の指示に従う
腫れが気になると冷やしたくなりますが、冷やすかどうかは担当医の指示に従います。自己判断で決めず、帰る前に聞いておくと迷わずに済みます。
痛みや腫れの経過と、歯科医院へ連絡する目安
手術のあと、腫れや痛みは2〜3日がピークで、1週間ほどで落ち着くことが多いとされています(個人差があります)。
インプラント手術には、痛み・腫れ・出血や合併症の可能性があります。術後の腫れや内出血の多くは時間とともに治まりますが、痛みが長く続くときは担当医に相談します。合併症の例としては、神経を傷つけることによるしびれ(下あごの奥歯で起こりやすい)、上あごの奥の空洞(上顎洞)の炎症、骨とうまく結合しない・抜け落ちる、といったものがあります。いつもと違うと感じたら、自己判断せず手術を受けた歯科医院に連絡してください。
| 項目 | 落ち着いて様子を見る目安 | 手術を受けた歯科医院へ連絡する目安 |
|---|---|---|
| 痛み・腫れ | 2〜3日ごろがピークで、少しずつ落ち着いていく(個人差があります) | 痛みが長く続く |
| 出血 | 少し血がにじむ程度(ガーゼなどをかんで圧迫する) | 圧迫しても止まらない |
| 薬 | 処方された薬を指示どおりに飲めている | 飲み方に迷う |
| そのほか | ― | しびれなど、いつもと違う症状が気になる |
辻井相談役
手術後の痛みについてさらに詳しく知りたい方は、インプラント治療の痛みはどれくらい?手術中・術後の痛みと対処法も参考にしてください。
抜糸と、その後のメインテナンスはいつ頃?
手術のあとから、抜糸、その後のメインテナンスまでの流れです。
インプラントは入れたら終わりではなく、歯科医院での定期的なチェックが続きます。当日・翌日を落ち着いて過ごすことは、その長い付き合いの最初の一歩です。
- 手術の当日・翌日傷を落ち着かせる時期この記事で紹介した注意を守って過ごします
- 腫れが引くまで経過を見る時期腫れや痛みが少しずつ引いていきます(個人差があります)
- 抜糸のころ糸を取る縫った場合、おおむね手術の1週間後が目安です
- その後ずっと定期的なメインテナンス歯科医院でのチェックを続けます
抜糸のあと、日常生活をどう戻していくかはインプラント手術後の生活ガイドでまとめています。
よくある質問
翌日からいつもどおり運動やお酒をしてもいいですか?
当日に控えることは本文で紹介したとおりです。翌日以降いつから再開してよいかは、手術を受けた歯科医院に確かめてください。
歯みがき粉は使っていいですか?
手術した部分を避けて歯をみがくことが基本です。歯みがき粉の使い方など細かい点は、手術を受けた歯科医院の指示に従い、帰る前に聞いておくと迷わずに済みます。
夜中に出血が止まらないときはどうすればいいですか?
まずガーゼなどをかんで圧迫し、それでも止まらないときは手術を受けた歯科医院に連絡してください。時間外の連絡方法も、帰る前に確認しておくと落ち着いて対応できます。
まとめ
手術の当日と翌日は、麻酔中のやけどやかみ傷に気をつけ、体と傷を休ませる時間です。帰る前に、下のことを確かめておくと過ごしやすくなります。
- 口の感覚が戻るまでの目安
- やわらかい食事をいつまで続けるか
- 運動・飲酒・お風呂をいつから普段どおりにしてよいか
- 冷やすかどうか、歯みがきのしかた
- 薬の飲み方と、困ったときの連絡先
参考文献
- ボッシュ健康保険組合「歯科治療のイ・ロ・ハ(痛さを最小限に『麻酔の知識』)」(制作:法研)「治療直後の麻酔の注意」
- 朝日大学医科歯科医療センター 口腔インプラント科・東京都保健医療局サイト掲載資料「手術当日の食事」
- 神奈川歯科大学附属病院 顎・口腔インプラント科「手術当日の運動・飲酒・入浴」
- 東京都保健医療局サイト掲載資料・一般社団法人 京都府歯科医師会「よ坊さんだより・140」・朝日大学医科歯科医療センター 口腔インプラント科「うがい・歯みがき」
- 一般社団法人 京都府歯科医師会「よ坊さんだより・140」・朝日大学医科歯科医療センター 口腔インプラント科・東京都保健医療局サイト掲載資料「薬」
- 旭川赤十字病院(局所麻酔の資料)・朝日大学医科歯科医療センター 口腔インプラント科「冷やすかどうか」
- 公益社団法人 日本口腔インプラント学会「インプラントのメリット・デメリット」・公益社団法人 日本口腔インプラント学会「よくあるご質問」「手術に伴う痛み・腫れ」


